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今後の行事予定

研究会からの報告
東海圏研究会 報告

東海圏研究プロジェクト第18回研究会(PDFファイル)(2010.07.24)
東海圏研究プロジェクト第17回研究会(PDFファイル)(2010.05.23)
東海圏研究プロジェクト第16回研究会(PDFファイル)(2010.03.20)
東海圏研究プロジェクト第15回研究会(PDFファイル)(2010.02.13)
東海圏研究プロジェクト第14回研究会(PDFファイル)(2009.12.12)
東海圏研究プロジェクト第11回研究会(PDFファイル)(2009.07.25)
東海圏研究プロジェクト第9回研究会(PDFファイル)(2009.03.28)
東海圏研究プロジェクト第8回研究会(PDFファイル)(2009.01.10)
東海圏研究プロジェクト第7回研究会(PDFファイル)(2008.11.22)
東海圏研究プロジェクト第6回研究会(PDFファイル)(2008.09.20)



東海圏研究プロジェクト第18回研究会(報告)

    東海圏事務局 梅原浩次郎

「福祉・医療サービスのあり方と住民生活」について

●研究会は、2010年7月24日名古屋市立大学で10人の参加により開催しました。各報告は、今日の局面を踏まえた示唆に富むものでした。

○第1報告:名古屋市総合計画の経緯と河村流「企業誘致」戦略 (梅原浩次郎)
 報告は、名古屋市長が重要施策として掲げる「10%減税」のねらいの一つとされる企業誘致策の成否を、これまでの総合計画の経緯と計画性の関点から分析したものである。
高度成長期以来の中央政府の経済政策の計画性は、小泉構造改革路線によって方向転換し、計画機能は排除されてきた。名古屋市における総合計画を軸とする計画機能も、変貌を遂げようとしている。歴史的経緯を無視し、市長による恣意的ともとれる行政施策が展開される危うさを内包している。
名古屋市は、「卸売機能に代表される広域流通拠点都市」を実現させてきたが、「モノづくりの中枢圏域を支える国際ビジネス拠点都市」には至っていない。企業の意思決定部門の名古屋市への移転は進まず、国際ビジネス展開の企業集積は縁遠い。
 その理由は、グローバル経済の進展の中で、日本での企業数は全体として落ち込みを見せ、同時に生産拠点も中国などへの国際展開が凄まじい。この客観状況を前にして、企業集積の願望と「御用聞き」だけでは目標の実現は容易ではない。日本における屈指の産業地域が、同時に顕著な企業集積地域になるとは限らないのである。

○第2報告:「高校生世帯の貧困層拡大とその再生産」(小島俊樹)
 報告は、これまでほとんど実態が明らかにされてこなかった、高校生をもつ世帯に着目した貧困層の拡大と再生産に関してである。
 もともと貧困基準として、生活保護基準や相対的貧困率(年収が全国民の年収の中央値の半分に満たない国民の割合)での約315万円は、低すぎるとの指摘もある。それは措くとしても、高校生世帯の貧困層は、まず授業料減免者数にみられる。全国的に1997年3.5%から2007年には13.0%と急増している。
授業料減免者数の市立高校全体の平均は11%と全国より少し低いが、職業高校や定時制高校に集中し、ほぼ在籍者数の4分の1にあたる。学校納入金の未納者も急増している。未納者の苦しい実態、上級学校進学をあきらめる事例の報告があった。また進学が経済的に難しく就職をめざして入学した職業高校生の就職状況の悪化は、貧困層の再生産が生み出されている実態の報告である。就職内定率は極端に悪化し学校ごとにみれば50〜70%にしか至っていない状況がある。次代を担う若者とその家族が社会の基底で悩み苦しんでいる報告であった。

○第3報告:「分権改革と公共事業」(山田 明)
報告は、まず政権交代と「地域主権」戦略についてである。6月22日に地域戦略大綱が閣議決定され、ひも付き補助金の一括交付金化、地方自治法の抜本見直し、道州制など、地域主権改革は新しい局面に入ったことの指摘である。
 一括交付金化は、日本自治学会での神野直彦氏の発言を参考にしながら、地域主権戦略会議の「一括交付金化の基本的な考え方(試案)」の内容が、閣議決定された「地域主権戦略大綱」では後退した。例えば、試案で一括交付金を「地域が自己決定できる財源」としてデザインすることを大原則としたが、財務省や国交省の反対で、大綱で削除されたり、修文されたりしていることが報告された。

○今後の研究計画
最後に、事務局から、東海圏研究プロジェクトの中間まとめの報告があった。研究会の経過と研究会が取り組んできた研究テーマがまとめて報告され、今後どんな取り組みを行っていくかの話し合いを行った。さしあたり、次回は以下に記すことを決めて散会した。


東海圏研究プロジェクト第17回研究会(報告)
第36回東海自治体学校 分科会報告
分科会6「東海地域の構造変化と地域経済の課題」

◇問題提起と事例報告
「東海地域の構造変化と地域問題」(山田明氏、名市大)の問題提起があった。「トヨタ・ショック」で不況の連鎖が続き、自動車産業依存の経済への影響が懸念される。自治体財政に影響を及ぼし、自治体リストラに拍車をかけ、行政サービス削減や負担増など、住民生活にも影響を与えている。
 「トヨタ・ショックと地域経済」(薮谷あや子氏、人間環境大)の事例報告があった。トヨタ・ショックの東海圏の個別要因としては、地域経済や自治体財政におけるトヨタの影響力が絶大であり、輸出型製造業集積地であったことである。経済振興施策は、雇用とまちづくりの連携施策として構想すべきで、「地域経済と雇用」を、「格差と貧困」の課題との関連づけが必要である。
 次いで、「一宮市の地域産業の現状」(尾関宗夫氏、一宮市)の報告を受けた。一宮市は、繊維のまちとして発展。1970年にソニー一宮が進出し、一時は電気・電子部品出荷額がトップに。ソニー撤退で繊維工業が再びトップに。市長は「税収確保だけでなく、市内での雇用確保も重要」と述べ企業誘致を進める。一方で、合併特例債を利用して、250億円をかける3大事業(市庁舎建設等)が進む。
 また、「定住自立圏構想で地方の再生が図れるのか」(水越甲子氏、美濃加茂市)の報告を受けた。美濃加茂市は、2008年総務省が募集した定住自立圏構想先行実施団体に指定。同市・坂祝町で協定書締結。道州制を想定した先行実施でないかと危惧している。

◇参加者による質疑討論、意見
 * トヨタが強かった故に、愛知県には産業政策がない。自治体にも地域産業政策が
  ない。あるのは企業誘致、人寄せ、融資だけ。愛知県の基盤整備は、5年前と同じ
  で、言葉は変えたが、中身は変えていない。税収の4割が公債費で消えることにな
  る。
 * 愛知県は航空機産業を重視している。しかし、航空産業は需要が少なく、中小企
  業は参入できない。商店街、まちづくりがなおざりにされている。愛知県の商店街
  振興は10億円あったが1億円に激減。大企業には数10億円の補助をしているのに。
 * 産業政策では前計画を引きずらないで、環境、資源、バイオなど次世代産業を新
  しいメニューとして加えていく。産業政策の計画化、条例化は、地域経済を点検す
  る作業、問題点を洗いなおす作業でもある。
 * 産業政策は、自治体と、より広域の視点で立案する必要。そのために自治体の政
  策能力をどう高めるかが問題。また長期的視点が必要で、首長に振り回されないこ
  と。
 * ソニーの撤退後、繊維産業が出荷額のトップになったが、尾州ブランドなどの技
  術の継承が問題になっている。
 * 定住自立圏構想、広域行政が必要な部分もある。各論で勝負すべきか。政策を地
  元で作成するのは難しいという意見に対し、コンサルタントも東京ではなく東海3
  県の業者に依頼した方がまだいい。市民参加でビジョンを作ることが重要。
 * 土岐市は、瑞浪・多治見市と同じ地場産業。トヨタのブレーキ関係の工場を誘致
  し、5年間援助を行う。働く場所がないと人口減になり、まちがさびれていく。

 ※討論の最後に、「きょうの報告や意見等を東海圏研究プロジェクトに活かしていき
  たい」とのまとめがあった。(参加者数19人)



東海圏研究プロジェクト第16回研究会(報告)
 第16回東海圏研究会 「福祉・医療サービスのあり方と住民生活」について
                東海圏事務局 梅原浩次郎
「福祉・医療サービスのあり方と住民生活」について

○2010年3月20日名古屋市立大学で7人が参加して開催しました。素晴らしい報告がありましたが、残念ながら仕事の都合などで欠席された方もいました。

○第1報告は、会員の佐藤尚子さんでした。
最初に、「高齢社会と地域」の説明がありました。家族のあり方の変容、21世紀の半ばには人口構造の劇的な変化が予測されることなどです。特に2010年-2055年の比較では、年少人口45%激、生産年齢人口57%減、65〜74歳人口83%減。75歳以上168%増です。「前例のない高齢社会」(高齢社会白書平19年度版)に向けての努力が求められています。
次いで「民生委員活動をとおして知る人々のくらし」では、ある市営住宅での人生と暮らしに向き合って活動する報告でした。現実の厳しい実態とともに、無数の助け合いと優しさを実感しているとの内容でした。

*佐藤報告に対する意見交換には、次の点などが出されました。
*生活苦、病苦をかかえた人は孤立しがちとなる。隣近所の人たちや自治会役員に「助けて」と言えるような関係づくりが欲しい。「助けて」と言われれば、近所の人たちはやれる範囲で、見守りやお手伝いをする。そういった声は、民生委員として地域をまわれば必ず耳にはいる。あらためてその家を訪問し、状況を把握して、行政や地域包括支援センターに連絡する。たったひとりで、あるいは家族で困難をかかえた状況から、ようやく近所の人たちの見守りと公的な具体的なケアがはじまる。民生委員は、地域の人々をつなぐそんな役割を果すことではないだろうか。
*民生委員のなり手がなく、多くのところで欠員がある。それは今の民生委員の負担をふやすことにもなる。民生委員活動の工夫や改善なども求められるが、地域の人たちの喜びや悲しみに少しだけ寄り添うことも意味があるのではないか。また、地域がとてもよく見えるようになる。民生委員や保護司の話がまわってきましたら、ぜひ受けて下さるように期待する。

○第2報告は、会員の加藤孝夫さんでした。
約40年愛知民医連等で仕事をされ、運動に関わってきた立場から、豊富な資料をもとに歴史、現状、課題についての報告をいただきました。
最初に中央社保協の発表では、東京・神奈川・大阪・愛知・兵庫・京都などの大都市部での2010年度後期高齢者医療保険料が、極めて高額になっている。これは、見方を変えれば、現在、世界の大都市で高齢者人口比が一番高いのは東京だが、今後、これらの大都市部での高齢社会対策(孤独死、独居高齢者の増大、老老夫婦の増大と介護,認認介護がなどの問題が増える)が迫られている。それに対し、「第4期名古屋市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画はつらつ長寿プラン名古屋2009」等の問題意識は甘いと思う、との指摘がありました。また、2006年の医療制度改革関連法における70歳以上の高齢者の負担が増え受診が抑制されているなどの問題点、後期高齢者の医療制度の問題点の指摘がありました。また2009年介護報酬「改定」で介護の「崩壊」「難民」は防げるかなど、事例紹介を含む報告でした。ただし、時間の制約から、レポート内容の詳細は、文章報告となり、各自が今後目を通すこととなった。
*加藤報告に対する質問や意見は次のとおりです。
Q1:愛知県下の地域医療圏の線引きはどのようになっているのか。医療機関の分布、それらの機能や連携はどうなっているのか。
A:戦後の日本の医療制度・政策は、自由開業医制の下で進められてきた。その後、厚生省の医療機関再編成政策で、1980年代後半〜21世紀初頭の政策動向と医療機関内部の構造変化が進んでいる。
*医療法第1次改正(1985年成立)」に基づく「地域医療計画」による病床規制−都道府県が作成、 医療計画の必要的記載事項:医療圏の設定、基準病床数の算定等。
*第2次医療法改正(1993年実施)による「医療施設機能の体系化」等。一般病院(病床)を、@特定機能病院、A療養型病床群、Bその他の一般病院(病床)に3分)。
*第3次医療法改正(1998年実施)いわゆるインフォームドコンセントを規定等。
*第4次医療法改正(2001年実施)中心は旧一般病床を新一般病床と療養病床へ区分等。 *第5次医療法改正(2006年6月実施)都道府県による医療情報の公表制度創設、広告規制の緩和等。

Q2:イタリアやイギリスの医療制度と日本を比べるとどうなのか。
A:日本は、病院も外来をやり、診療所と競合していることなど、いくつかの論点があるが、今日は時間の制約から割愛せざるを得ない。また、改めて時間が取れれば、とした。



東海圏研究プロジェクト第15回研究会(報告)
 第15回東海圏研究会 「愛知県の公共事業について」

 2010年2月13日名古屋市立大学で11人が参加して開催されました。
 報告者は、会員の大西豊さんでした。

 最初に、社会資本の分類についてあらためて説明がありました。社会資本は大
きく分けて、国土保全(治山治水施設等)、生産基盤(工業用地造成、農業基盤、
空港、港湾等)、生活基盤(宅地造成、上下水道、教育福祉施設、病院等)に3
分類され、道路、鉄道など重なる部分もある。この社会資本を、国、県、基礎自
治体で分担して管理している。愛知県では、9つの建設事務所がある。いわゆる
選挙区と整合しなくなり、合併で豊田加茂建設事務所のように管轄区域が豊田市
とみよし市だけというところも出てきている。
 次に、2009年度に建設部で2,929億円が予算化されたが、前年度と比べ15%以上
減少している。2010年度は、政権交代で公共事業費は15.2%の削減方針もあり、
愛知県も前年度より15%減が考えられる。国は、道路、治水、まちづくりなどの
従来の補助金を廃止し、社会資本整備総合交付金を創設し、地域に裁量権を持た
せる方向だ。今までは、補助金があるから事業をしてきたが、これからは事業に
ついての企画能力が問われる。
 愛知県の社会資本整備の今後の方向性と問題点について。公共事業により地方
が潤うという神話がある。公共事業費の減少は自民党時代からの流れである。新
政権には、道路予算削減と高速道路無料化のように矛盾した面も多く見られる。
 愛知県は「4大」プロジェクト(木曽川導水路、設楽ダム、中部国際空港の第二
滑走路、名古屋港のスーパー中枢港湾事業)の公共事業をやりたいが、金がない
状況である。

○報告後、参加者から多くの質問や意見が出されました。
*一級河川などの国と県との線引きはどうなっているのか。
*自動車産業は裾野が広いが、トヨタショックを経て愛知県は本当に複合型産業
 をめざすのか。航空機産業といっても。裾野は広くない。
*民生費を含め、交付金化はすでに始まっているのではないか。
*義務的経費は削れないが、公共事業の財源をどう確保していくか。
*公共事業の「一括交付金」は順次進めていくのか。
*公共事業の「一括交付金」をどのように決めていくのか、
 など。

○今後の東海圏研究プロジェクトの研究計画について、「梅原メモ」「山田メモ」
 をもとに議論しました。
(文責:長谷川・梅原)



東海圏研究プロジェクト第14回研究会(報告)
市町村合併・自治体自立研究会、東海圏研究会(第14回)合同研究会
「西尾市・幡豆地区の合併と定住自立圏構想」 

○2009年12月12日名古屋市立大学で、8人の参加で開催されました。報告者は、西尾市職員の簗瀬貴央さんでした。
 西尾市では前市長が受託収賄で逮捕され、2009年7月の出直し選挙では現市長が無投票当選した。市長は、当選直後に西尾市と幡豆郡3町(一色町 吉良町 幡豆町)との合併の方針を表明した。9月から住民説明会を、10月に住民意向アンケートを行い、12月議会に法定合併協議会設置議案を提案した。
 1市3町の首長は基本となる4項目を確認している。
  @合併の方式は、西尾市への編入方式とする。
  A合併の期日は2011年3月31日までの合併を目指す。
  B新市の名称は、「西尾市」とすることを原則に今後協議する。
  C新市の事務所(本庁)の位置は、西尾市役所とし、3町の役場は支所とする。
 住民説明会では、新市のイメージを示すだけの説明資料で、町名・字名、住民サービスなどの取り扱いについては、今後協議していくというものであった。
 合併に関する住民意向アンケートでは、「合併を進めるべきである・やむを得ない」が全体で62.7%という数字であった。市町別には、西尾市59.5% 一色町74.9% 吉良町58.5% 幡豆町74.5%である。ただ、合併の期日が示されないなどの問題を含むアンケートであった。ちなみに西尾市職員組合が行ったアンケートでは、合併賛成6.4% 反対77.6%であった。
 住民投票については、合併反対を活気づけるという理由で行わないとのことである。財政的な問題では、西尾市にも、町にも特段に問題はない。幡豆町は、人口減により名鉄線が廃止になる可能性があり、陸の孤島になるかもしれないという問題がある。
 合併期限は、2011年4月に幡豆町、吉良町の町長選挙があるため2011年3月31日にしているものと考えられる。合併の話は進んでいるが、時間と経費を要する事務のすり合わせなどの話は進んでいない。
 西尾市は、西尾幡豆郡の合併の話を進める一方、定住自立圏形成の中心市宣言を、2009年8月24日に行っている。

○この報告の後、参加者から次のような質問や意見が出されました。
 * この時期になぜ合併なのか?
 * 合併での住民のメリットはなるのか?
 * 愛知県との関係はどうなっているか?
 * 合併話を進めながらの定住自立圏「中心市宣言」についてよくわからない。
(長谷川 記)

(追記)
 12月26日付の中日新聞によると、西尾市と幡豆郡3町の合併を目指す法定合併協議会が25日に発足した。各市町の議会が設置議案を可決したのを受け、各首長が西尾市役所で協議書を締結したことによる。来年1月14日から月2回のペースで会議を開き、合併の方式や期日など、1549項目の事務事業のすり合わせをする。「一区切り」とされた市町村合併であるが、疑問の多い西尾・幡豆地域の合併の行方を注視していきたい。
(山田 明 記)



東海圏研究プロジェクト第11回研究会(報告)
                         研究会事務局(梅原)

 東海圏研究プロジェクト第11回研究会(2009年7月25日、名市大)は、8人の
参加をえて開催されました。報告は、島田善規氏、兵藤敏和氏からレポートして
いただき、討論を行いました。要点を報告します。また、最後に次回の予告を記
しました。

【報告概要】

「今日のなごやの都市交通問題を考える視点」島田善規氏(リニモねっと代表)

◇「都市圏の構造と課題」(1987年)を読み返して
 a)当時指摘した多くは正鵠を得ていたのではないか。
  車型都市化の背景、
高度成長期の交通計画(特に「過大需要予測追従型」の計画)、
過剰な交通投資の財政的影響(名古屋都市高速では、交通量推計の見込み違いの
危険性など)、名古屋都市圏の活性化と車型都市からの転換(いま風にいえばコ
ンパクトシティへの転換等)
 b)不十分さも持っていた。
  都市圏間交通、名古屋市内交通にふれたが、名古屋市外における交通問題に
 ふれていない。
  当時、すでに物流問題が顕在化していたが、ふれていない。
  自転車の問題ほか
 c)新たな都市圏研究の課題
  人口と交通需要の減少期、超高齢化社会、交通行政における規制緩和、過疎
 地の交通、バスの衰退ほか、交通まちづくり、地域交通政策力、そのほか
 d)都市圏間交通の視点から、東京の外縁化という問題
  リニア新幹線、第二東名・名神 
◇バス離れ現象の要因をどうみるのか
バス離れ現象の要因について、これまで自動車台数の増加などによるモータリ
ゼーション現象全般や地下鉄網の整備などによると説明されてきた。しかし、自
動車台数の増加などが止まった今日では、単純には説明できなくなっている。住
民のバスへの潜在需要をどう把握するか。
◇リニモの現状と問題点、その視点
財政危機が顕在化し始めたリニモ、その問題点はどこにあるのかを背景を含め
て整理し、リニモ(公共交通)について考える視点を提起。
○以上の報告に基づいて、名古屋及び名古屋圏の交通問題の特徴について、突っ
込んだ意見交換、質疑討論が行われた。


「愛知県の雇用状況と雇用対策について」兵藤敏和氏(会員)

◇愛知県における雇用状況や雇用対策について資料にもとづき次の報告があった。
 最近の経済・雇用情勢
 平成20年度愛知県緊急産業雇用対策(実績)
 平成21年度愛知県緊急産業雇用対策、同取組状況
 基金2事業による雇用の創出

◇主な意見交換は次のとおりある。
・バブル経済後は中高年のリストラによる雇用対策が主であったが、今次は若者
 が中心となっている。
・求人・求職・有効求人倍率等の諸指標は、昨年9月からでなく、すでに昨年1月
 段階から急速に悪化の傾向を見せていた。
・愛知県緊急産業雇用対策(平成21年度)は、中小企業対策、生活対策のほか、
 雇用対策(相談・情報提供、雇用の場の確保・雇用の創出、就職支援)、さら
 に内需拡大対策が行われている。
 岡崎市には、求職者総合支援センターが設置された。
 就職支援として、短期の雇用セーフティネット訓練が始まっている。この期間、
 雇用保険が適用されるのはよいが、訓練期間が短く(3〜6ヶ月)、訓練とし
 ての内実を持っているのかは疑問のところもある。
・雇用創出のため、当初予算(140.1億円)を超える補正予算(168.2億円)が意
 味あるものとして執行されていくのか疑問のところもある。
・職員削減等により、今後労働相談に当たれる人材不足が懸念される。

次回 予告
東海圏研究プロジェクト第12回研究会
日時:2009年9月19日(土)14時00分〜16時30分
場所:名古屋市立大学 人文社会学部棟2階202教室
詳細はあらためて連絡いたします。

道州制をめぐる動きが激しくなっています。この問題の動きと本質を見つめます。
テキスト:市町村合併研究会編『合併を超えて自治体自立へ』2009年6月発行

◇ 「合併を超えて自治体自立へ」
    山田 明 (名古屋市立大学教授)
◇ 「東海地域における道州制の動きと道州制構想の問題点」
    山田公平(名古屋大学名誉教授)



東海圏研究プロジェクト第9回研究会(報告)
                         研究会事務局(長谷川・梅原)

 東海圏研究プロジェクト第9回研究会(2009年3月28日、名市大人文社会学部602室)は、9人の参加をえて開催されました。
 報告者及びテーマは次の3氏であり、東海地域の構造変化に関して討論を行いました。
 1「東海圏の構造と住民生活」              本多 弘司
 2「東海圏における産業集積広域化と自動車産業特化構造」 梅原 浩次郎
 3「名古屋市の20年間の人口異動」           原 卓郎

【報告概要】

 「東海圏の構造と住民生活」 本多 弘司

◇本多会員から「東海圏の構造と住民生活」の報告がありました。東海圏研究プロジェクトは、東海研究所の長期発展計画「東海研究所にとり不可欠の研究と研究成果の公表」を受け、研究プロジェクトが始まった。
◇今までに、8回の研究会を行ってきた。全体テーマは「東海圏の構造変化と地域の課題」である。分権改革・道州制構想と東海地域の再編成、市町村合併と自治体の諸活動を研究し、ひいては全国のなかでの東海圏域の地域的特徴を位置づけ、地域自治の全国的課題解明に寄与することを目的としてきた。
◇また、「都市圏研究の今日的課題」として、市町村合併の後遺症や道州制を見据えた地域政策の検討、道州制に呼応する国土形成計画、定住自立圏構想などの検討を行ってきた。東海圏では20年前と比較して、トヨタ中心の自動車産業・地域経済、東海環状自動車道による地域経済の連携、地域間格差などの構造変化が進んだ。
◇山田明会員から、「都市圏の構造と課題」第4章「名古屋都市圏の構造と財政」を執筆した関連から、著書の構成とポイント、「富裕な財政」が行政水準の高さや住民サービスに結実しているかなどの問題点が報告された。その後の変化と検討すべき課題として、多核重層型の都市圏としての財政構造、製造業(トヨタ)依存の財政、財政から見た地域間格差、市町村合併・行革の影響、名古屋市と周辺市町村との財政関係などが問題提起された。

 「東海圏における産業集積広域化と自動車産業特化構造」 梅原 浩次郎

◇梅原会員から「東海圏における産業集積広域化と自動車産業特化構造−トヨタ依存と成長路線からの転換は可能か−」の報告がありました。
◇はじめに、問題意識として
 1産業集積の広域化の現状をどのように把握するのか。  2自動車産業特化構造の現状把握と脱却の見通し、  3トヨタの産業集積と産業構造変化への影響力と今後の動向をどのように押さえるのか、
を指摘。研究の目的を、東海圏における製造業を中心とする産業集積の広域化と自動車産業特化構造の到達点の解明とした。
◇東海3県1市の産業政策は、主として自動車産業や先端技術産業の発展を広域的に展開するものであった。(役割分担 愛知県は東海を牽引、名古屋市は中枢圏域を支える国際ビジネス拠点、岐阜県・三重県は大型交通インフラ整備による、産業の呼び込み)
◇中経連は、現行制度の見直しと中部州の実現、中部地域のすべてを統括する内容をめざしている。中部州の自立と道州制実現、産官学総力結集等を強調。中部経産局も産・官・学の総力結集を進めている。
◇道路ネットワークと工場立地誘導策
名古屋を中心とする半径30〜40`圏の都市群をつなぐ環状道路に合わせて工場立地を行ってきた。
◇東海圏の産業構造変化
1990年代以後の県別の事業所数、従業者数は軒並み減少傾向を示しているが、製造品出荷額等は、回復に向かっていた。2000年以後は、従業員数や製造品出荷額等は上昇に転じている。牽引力の中心は、輸送機械、電気機械である。特に、愛知県では知多衣浦地区、岐阜県では加茂地区、三重県では鈴鹿亀山地区で顕著な増加傾向が示されている。輸送機械、電気機械の発展は持続しているが、窯業・衣服・繊維等の地場産業は軒並み衰退している。
◇世界経済危機に直面し、生産と雇用大幅な下降局面となっている。鉱工業指数(2009.1)は全国が30.8%減であるのに対し、東海3県は、35.1%減となっている。自動車産業に特化した産業構造は、自治体財政に大きな影響を及ぼしている。持続可能な産業と自治体にするために、多面的な産業展開が必要である。

 「名古屋市の20年間の人口異動」 原 卓郎

◇原会員から「名古屋市の20年間の人口異動」の報告がありました。この20年名古屋市の人口は、増加傾向にある。特に、ここ10年ぐらいは社会増になっている。世帯数は増えているが、1世帯当たりの人員は低下している。
地域的には、中部地域からの転入が増加してきている。愛知県内では、春日井市からの転入・転出が多い。

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●報告に基づいて、参加者から意見や報告が行われました。
*自動車産業以外に転換する可能性はあるのか。うなぎなどの食品産業などはどうか。
*トヨタは、織機→自動車→航空機・環境への進んでいるのではないか。
*東海圏の生活を支えてきたものはなにか。
*地域の過去からの技術力がトヨタに収奪されている。
*岐阜県は、愛知の富を岐阜に持ち込もうとしている。
*20年前には、空洞化が心配されていた。戦略の変化があったか。
*トヨタは海外に工場を作っているが、自動車産業は、裾野が広く、国内の工場をつぶさなかった。中経連が果たしてきた役割を再考する必要がある。
*自動車を輸出して、米や林業を犠牲にしてきた。


ご案内

東海圏研究プロジェクト第10回研究会は、
第35回「東海自治体学校」の第7分科会として行います。
2009年5月24日(日)愛知県勤労会館
全体会10:00〜12:00、分科会13:15〜16:30
昨秋以降の世界金融危機は、トヨタを筆頭に業績予想を大幅下方修正に追い込み、産業と地域経済において未曽有の事態が進行しています。ある経済誌は「トヨタ落城、名古屋炎上」「トヨタと東海3県『共倒れ』の構図」を報じていました。
 分科会では、金融危機が及ぼしている東海経済の実態と再生の方向を明らかにしたいと考えています。森 靖雄 先生(愛知東邦大学)の総括的な問題提起と経済団体からの報告をもとに、相互理解を深め、再生の方向を探っていけないものかと考えています。

 第7分科会「金融危機が及ぼす東海経済の実態と再生の方向」

問題提起:
「金融危機と東海経済への影響」
  報告者:森 靖雄(愛知東邦大学) 60分
 はじめに
  1 世界的金融危機の経過と原因
  2 世界的金融危機の東海経済への影響
  3 今後の展開
  4 自動車産業はこれからどうなるか
経済団体からの報告
「経済危機の実態、再生の方向」
  報告者:(依頼中)  30〜40分
質疑・討論


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東海圏研究プロジェクト第8回研究会(報告)
                         研究会事務局(本多・梅原)

 東海圏研究プロジェクト第8回研究会(2009年1月10日、名市大人文社会学部602)は、13人の参加をえて開催されました。中田 実先生(愛知江南短期大学学長)から当初の「地域づくりと住民自治(仮)」から、「東海圏研究の視点と課題」に重点をおいた報告をいただき、東海地方研究の流れと特徴に関して討論を行いました。以下、研究会の概要を報告します。

「東海圏研究の視点と課題−東海地方研究の流れと特徴−」
          報告者:中田 実(愛知江南短期大学学長)

報告概要 
1 東海圏の社会学的研究の個人史
2 都市圏研究の視点
  都市化の限界の露呈、過疎化、高度成長の破綻=地域資源の総合的な連携・活用と圏域(Region)としてとらえなおす必要があることを提起=大都市中心主義への反省
 アメリカのRegionalismの展開
 単核から多核構造へ 自治の基盤づくりの地域視点
3 東海研究の課題設定:『都市圏の構造と課題』1987の前提条件
 研究の課題 「経済を超え」総合政策、東西の支店経済圏から独自圏域に離陸、都市化・工業化と過疎の共生、広域行政下でのコミュニティ(自治的生活圏)、東海は全国の縮図、ものづくり地域の基盤、地場産業と重化学工業
4 東海圏研究をめぐるいくつかの論点
 1)人口学的特徴 中心都市化の停滞、
 2)名古屋批判論の特徴 地域住民組織の性格
   評価、地縁組織から任意参加型組織への転換説、取り組む課題の転換
5 ソーシャル・キャピタル論(SC)から
 1)パットナム
 2)日本総研07調査 SC指数(信頼、つきあい、社会参加など) 愛知は平均的
   SCによる地域特性把握、政策評価が必要
6 東海圏研究を促す要因  1)東海圏全体 自然環境、資源、人材の地元定着率の高さ、東海圏ガバナンスの主体と方式の研究、東海圏の範域と協働管理・・・(cf. 五摂家からトヨタ、道州制)
 2)構成単位の特質と関係
 各地の個性的な発展と経験の共有化
参考 近年の大都市研究の関心の2傾向

質疑ポイント(N:中田先生)
* 報告されたリージョナリズムはアメリカ型大都市圏であるが、なぜそれを取り上げたのか?EU、フランスは上から網をかけているが。
N 日本はアメリカ型に近いと思われるので取り上げた。
* EU拡大による集権化の強化の中で、地方自治憲章制定などの分権化が促されてきた。
* 前著『都市圏の構造と課題』(1987)以来の20年で何が変わったか。
N 前著では無理に仮説を出したが、今日では東海圏域として実態がついてきた。
* ソーシャル・キャピタル論(SC)の報告に関して、愛知の特性を補足。これからはSCが大事、地縁組織論が大事である。
* 取組課題の転換は?
N 互助で支えられてきた生活課題が自己責任化されてきた。これを「地域の問題」としていく課題がでてきた。NPOと自治会の重なり。
* 東海地方のガバナンスの主体をどのように考えればよいか?
N これからの課題。
* 「リニモを活用」の会 広域は現行制度でも一部事務組合など連携できる。基礎自治体は小さい方がいいか。交通など自治体を超える課題もある。
* 当時は30キロ圏だった。支える実態は交通か、生活圏、通勤圏などがある。
  名古屋圏の人口動態 名古屋の郊外化は進んでいる。中津川、大垣、豊橋、津など。
  東区、中区は人口増加率が増加。
N 2002年から2009年は社会増となっている。
* これまでは名古屋の吸引力が弱く多核重層型だった。地域に格差があり、とくに名駅と西三河は伸びた。万博を契機に整備された東海環状道路の影響。(空港、名駅)
N 多核化がトヨタ化。核は薄れた。輸出依存の産業に偏り。
  名古屋の人 地域資源を探す。活かす。財界はお金を集中し効率化。
* 愛知は変わらない。ぶれないとは何か?スローライフが見直される。トヨタ以外の対抗軸をどうするか。
* 内発的発展とは何か、具体的に示せないか。
 (cf. 地場産業の育成と発展、参考文献 本間義人(2007)『地域再生の条件』岩波新書、岡崎信用金庫(2008)『地場産業』)
* 2000年以降の8年間を取り上げれば、東海3県で自動車、電子部品を中心に工業出荷額は伸びている。しかし昨秋から急速に落ち込んでいる。
* 世界都市戦略で一点集中型。アメリカのグローバル化にのって旨くいっているように見えた。国の政策にものっていた。しかし、東海の経済は脆弱であった。
N 価値観の転換(SC)が必要。ここ東海の強みを活かす。
* 中部空港の貨物は関空に集約。

いくつかの議論すべき論点案(本多メモ)
リージョンの意味と課題(EUの都市間競争から連携へ)
東海圏域の範囲、人口、社会資本の変化と評価、道州制、課題設定と20年の変化は
東海のガバナンス、トヨタの財界と政治的影響力、名古屋市の分権は?
ものづくりの評価、山間地の衰退(都市・工業と農山村の共生)
大企業誘致の都市間競争、内発的発展と地場産業
経済成長と生活の評価、SCの評価項目の検討

ご案内
第9回研究会
@ 「東海研究所の都市圏研究は何を問題としてきたか(仮)」 本多 弘司
A 「東海圏における産業立地圏域拡大の新段階(仮)」 梅原 浩次郎
B ミニ報告「20年間の人口移動をみる(仮)」原 卓郎
 2009年3月28日(土)14時00分〜16時30分
名古屋市立大学 人文社会学部602セミナ−室にて
多くのご参加を期待します。
※車で参加される場合は、事前に山田研究室(052-872-5176)へご連絡下さい。

第10回研究会
 第35回東海自治体学校が、2009年5月24日(日)に予定されております。
 そのために、学校の分科会の場を第10回研究会とします。
 内容は、昨秋以降の金融恐慌が東海経済にどのような変化をもたらしているのか、学ぶ機会にしたいと考えています。
講師予定
「金融恐慌と東海地方の地域経済(仮)」森 靖雄 先生(愛知東邦大学)

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東海圏研究プロジェクト第7回研究会(報告)
                      研究会事務局(長谷川・梅原)

 東海圏研究プロジェクト第7回研究会(11月22日、名市大にて)は、11人の参加をえて開催されました。農業・農村問題の今日の状況について認識をあらたにしたところです。
 以下、研究会の概要を報告します。

  「農業・農村の今日的課題」と題する有本信昭先生の報告
最初に、農水大臣主催「食料の未来を描く戦略会議」における自給率向上のための「ミニ行動計画」などの策定の考え方について報告がありました。
◆世界の食糧事情は深刻化している。わが国の食料供給力は弱い。県別の食料自給率は、愛知13%、岐阜25%、三重44%となっている。特に愛知県は、ものづくりの先進地であるが、農業、食品製造業も大きな比重を占めている(カゴメ、ポッカ、ミツカン、フジパン、敷島パンなど)。
◆自給率向上の国民運動成功のために、長期的に考え短期的な生活スタイルに生かす国民運動の望ましい姿として、
@国民・市民の自主的・自発的で創意工夫を凝らした楽しい取り組み、
Aみんなにわかりやすく具体的に取り組めるもの、
B「ちょっとした」勇気、気持ちで自分の家族や健康を向上させ、地域社会や人々に貢献する。こうした人々や団体が増えていくことに期待している。
◆また、
@米の価値の見直し(消費に至るまでの低熱量消費、日本の気候に合致、収量の多さなど)、
A食糧の持続的可能性(必要なものだけ買い、食材を使い切り、旬を意識して食べ、ゴミを減らし、簡易包装に心がける)、
B日本農業復興のために、いま消費者ができること(高くてもなるべく日本産を買う)などをあげている。
◆しかし農水省は自らの行ってきたことの反省なくして、世界の食糧事情の深刻化と自給率の問題を国民に責任転嫁している。

 次に「地域力とは何か」について、報告がありました。
 「地域力」とは、地域資源と人材である。地域資源とは、自然資源と人文資源に分けられ、その地域を離れては十分な機能・効用を発揮できない性質のものをいう。例えば、白川町では、「白川茶」という最大の地域資源がある。農業・農産物の「ブランド」は生産側が強調しているもので、消費者からは言ってくれない。人材等については、経済的・金銭的なものが大事である。農山漁村活性化と自立には、人材と政治的・経済的等の条件が、自立には活動経費を自前で確保するしくみの構築や人材を継続的に確保するしくみの構築が必要である。

報告にもとづく参加者からの意見や報告
*食料自給率は自治体でも持たせるべきではないか。…自治体が目標を持っていない。
*農業を産業としてよみがえらせることができるか。
  …産業として成り立たないような状態に置かれている。環境悪化に対し、行政指導等が遅れている。
*農山村の過疎と農業林業のあり方
*東海地方の農業のあり方…安城市や農業法人
*構造的なコメ問題があるのではないか。
*自給率を高めることが必要だが、自給率から議論を出発することの意味は何か。
*東海地方の農業の特徴と20年の変化・評価について
 …東海地方の農業は、日本農業の縮図である。
  (大規模農業の展開、中山間地域、兼業農家)産業首都であり、農業首都でもある。
  米の品種改良、無農薬農業では全国一である。

 本多弘司さんの報告
 「東海自動車道の効果と評価、及び東海の産業戦略」(岐阜県加茂地域、美濃市の予備調査)
 建設白書は、事業者数の増加をあげているが、事業所数だけの指標では評価できない。豊田市では、2006年以降減少している。東海環状自動車道開通による効果での評価は、税収効果、市民所得、定住などが考えられるのではないか。
 御嵩町、美濃加茂市、美濃市では工場団地を完売。岐阜県では地場産業が減少し、電気、自動車等の中堅が進出している。東海圏の範囲は、東海環状自動車道の範囲ではないか。
 金融恐慌で、「名古屋は元気」(輸出優先の自動車に特化した産業、ものづくり)が、崩壊した。内発的発展、農林業振興、中小企業支援などが重要で、その反省と転換を求める。

        ご案内
第8回研究会
 「地域づくりと住民自治(仮題)」
    中田實先生(愛知江南短期大学)
 2009年1月10日(土)名古屋市立大学 人文社会学部602セミナ−室にて
あわせて『都市圏の構造と課題』(1987)で「都市圏研究の視角」を執筆されたお立場から、本の意図したところとその後について少し触れていただく予定です。

第9回研究会
 「東海研究所の都市圏研究は何を問題としてきたか(仮)」
    本多弘司
 「東海圏における産業立地圏域拡大の新段階(仮)」
    梅原浩次郎
 2009年3月28日(土)名古屋市立大学 人文社会学部602セミナ−室にて

多くのご参加を期待します。
※車で参加される場合は、事前に山田研究室(052-872-5176)へご連絡下さい。


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東海圏研究プロジェクト第6回研究会(報告)
                      研究会事務局(梅原・長谷川)

 東海圏研究プロジェクト第6回研究会(9月20日、於 名古屋市立大学)は、13人の参加をえて開催されました。関心の盛り上がりが参加者増にも現れており、事務局としても嬉しい限りです。以下、研究会の概要を報告します。

「都市圏研究の今日的課題」と題して、山田明先生から報告がありました。

 ◆地域政策の新たな展開
 報告は、現在行っている「東海圏プロジェクト」について、20数年前に都市圏研究を行ったが、その後グローバル化と国土・地域構造の変化、市町村合併に見られる自治体再編などにより、次のような大きな展開があった。
 一つ目は、「地域政策をとりまく状況」について
 橋本、小泉「構造改革」による東京一極集中と地域間格差の拡大により、地域構造が大きく変化している。「限界集落」に象徴される「地方崩壊」が始まっている。市町村合併の後遺症や道州制を見据えた地域政策の検討が必要である。
 二つ目は、「国土形成計画(全国計画)の特徴と問題点」について
 全総が廃止され、国土形成計画が決定された。計画では、「都道府県を超える広域的課題が増加し、国土の再構築の必要性」があり「広域ブロックが、東アジアを始めとする諸地域との交流・連携を進めることにより、地域全体の成長力を高めていき、多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築する」として、道州制に呼応する国土計画となっている。都市圏については、拡散型都市構造を是正しつつ、集約型都市構造への転換による国土の効率的利用を求めている。また、広域地方計画は全総計画の広域ブロック版で大型プロジェクト待望がみられる。
 三つ目は「定住自立圏構想」と地域再編」について
 総務省「定住自立圏構想研究会報告書」では、中心市への権限移譲と圏域全体の結びつき強化する中で中心市街地に機能集中させ、広域な地域を集約型都市構造へ再編しようとしている。中心市街地に機能集中することにより周辺地域切り捨てられる可能性がある。

 ◆東海圏の構造変化
 次に東海圏では、20年前と比較して都市圏の構造変化が見られる。
 1 経済のグローバル化とトヨタを中心とした自動車産業の好調な地域経済
 2 東海環状自動車道による地域経済の連携の拡大が進んでいる
   (愛知から岐阜などへ展開など)。 
 3 地域間格差の広がりが見られる
   (西三河の成長、尾張地域の停滞、東三河中山間地域の衰退)。
 4 地方財政危機と自治体再編・市町村合併(とくに岐阜・三重)が行われた。
 5 都市圏の変容と名古屋・名駅への集中が進んでいる。
 6 道州制への積極的な対応、大都市制度改革に向けた研究も行われている。

 ◆経済界や行政からの構想・計画・調査
 また、経済界や行政から構想・計画・調査が行われている。
 ・中部地方整備局「名古屋大都市圏のリノベーション・プログラム」
 ・愛知県「新しい政策の基本指針」
 ・名古屋市「道州制を見据えた『新たな大都市制度』に関する調査研究報告書」など

 報告にもとづいて、参加者から意見や報告が行われました。
 主な意見は次のとおりです。
* 1998年に愛知県は「財政危機宣言」を行っているが、愛知県財政は健全といえるのか。
 …他の自治体と比較すれば、現状は相対的に健全といえるのではないか。
* 愛知県企業庁は赤字ではないのか
 …企業庁は、臨海、臨空、内陸など全体で支えあっている。
  三菱東京UFJへの返済の問題が残されている。
* 行政圏ではなく、交通圏で考えることも一つの方法ではないか。
* JR東海がバス路線廃止方針で、中山間地域など地域崩壊の可能性がある。
* この地域の強さと脆弱さも考えたらどうか。
* 今までの都市機能の集積と定住自立圏構想について、福祉・医療の面から見たらどうか。
* 名古屋、岐阜などで見られる回帰現象なぜ起っているのか。
* 政府の方針と東海圏について、より詳しく考えることも必要ではないか。
* 都市圏をどう考えるのか。中部圏、都市と地方、都市と都市、都市内部などどんな都市圏を
 考えいくのか。
* 国土形成計画では、愛知、三重、岐阜、静岡、長野となっているが、静岡・長野を入れるのか
 …当面は愛知、三重、岐阜で考えていきたい。
* 行政は、医療・福祉の計画はできるが、産業構造の計画はできないのではないか。
* 名古屋圏の産業立地の歴史についても研究したらどうか。
* 生活を中心とした圏域と産業構造を中心とした圏域に矛盾があるのではないか。
 住民の生活と社会生活と公共サービスが合致しているのか。
* 物流の円滑化と交通政策で、マイカーは障害物ではないのか。
* 自動車製造、家電製造などと地場産業の関係を考えたい。
* 国は強権的に事業を行いたいと考えている。自治体より民間主体の方がよいと考えている。


 次回ご案内
第7回研究会 「農業・農村の今日的課題」 有本信昭先生(岐阜大学)
 2008年11月22日(土)名古屋市立大学 人文社会学部602セミナ−室にて
 東海圏の農業・農村にみられる構造変化、今日的課題の報告がおこなわれる予定です。多くのご参加を期待します。
※車で参加される場合は、事前に山田研究室(052-872-5176)へご連絡下さい。



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